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 手組ホイールと完組ホイール 

「手組ホイール」と「完組ホイール」、それぞれにそれぞれの特徴があり乗り手によって向き不向きがあります。
用途によって使い分ければ、予算の節約やパフォーマンスの向上、ストレスの軽減につながります。


※画像は当店での手組ホイールの例です※


【手組ホイール】

「手組ホイール」には、乗り手の体重や走り方、好みに合わせて各部品を選択し、乗り手の必要とする性能を作り出すことが出来るという特徴があります。

以下のような場合には、「手組ホイール」の方が向いています。
使用目的がレースでは無くマイペースの長距離耐久走やツーリング的な使用、乗り心地の良さも含めた性能のバランスが取れたホイールが必要、予算を抑えながら乗り手の走行速度域等、特定の走行条件下で優位性の高いホイールを手に入れたい。
こういった使い方には「手組ホイール」がとても優位になってきます。

例えば、低速からの加速やヒルクライム時のエネルギーが少なくて済むようなリムを選択して、ダウンヒルや高速コーナーリング時の安心感と加速時の反応を良くするようなスポークアレンジのホイールを組み上げたとすると、全体の重量と空力特性ではスポーク数の少ない「完組ホイール」よりも劣るホイールになるでしょう。しかし、このホイールの乗り手の常用速度が30km/h程度の場合、スポーク数の少ない「完組ホイール」と比べて、空力特性や加速時の反応で不利を感じることは少なく、全体重量の影響が少ない低速からの加速やヒルクライム時には優位性が感じられ、乗り心地が良いため長時間走ってもストレスが少ないホイールになります。また、乗り手の体重が軽い場合は、スポークアレンジを変更して、ホイール全体の重量を軽くしながら乗り心地を更に向上させることも可能です。


【完組ホイール】

「完組ホイール」は、完成状態のホイールとして組み上げたときに、リム、ハブ、スポーク、ニップルの各部品が最適な組み合わせになるようにデザインされています。
特に、左右のスポークテンションに差が出るリアホイールでは、オフセットリムの採用や左右のスポークの本数を2:1の比率で張ることで、左右のスポークテンションの差を無くすための工夫をしたりして、ホイールとして組み上げた時の完成度を高めてあります。

「完組ホイール」がグレードや使用目的により細かく用意されようになった現在では、「手組ホイール」の存在意義が無くなったように思われるかもしれません。しかし全ての面で「完組ホイール」が「手組ホイール」を性能的に上回っている訳ではありません。


【完組ホイールの限界(Feb./1/2014現在)】

ロードバイク用の「完組ホイール」の場合、レースで使用した時の性能向上を最大の目的としてデザインされているものが殆どで、これは、上級グレードのモデルになる程顕著です。
加速時の反応(掛かり)の良さを向上させるために全体の剛性、特に縦方向の剛性が高い故に乗り心地の良くないモデルが多く、特にアルミ製のスポークを採用したものは、剛性が高いだけでなくアルミ製のスポークが路面からの振動をダイレクトに伝えるために、長時間の走行ではストレスを感じます。
中級グレード以下のモデルでは、値段を抑えながら「完組ホイール」らしさを出すために、空力的な有利性とスポーク数を減少させてもトラブルが出ないようリムの強度を上げた所謂エアロ形状の重いリムを採用していることが多く、そうなるとホイールの縦剛性が高くなり乗り心地が悪くなると共に、ホイールの最外周部であるリムが重くなるので高い出力に対しての反応は良くても加速するために多くのエネルギーを必要とするホイールになってしまいます。
「減速してからの加速やゼロスタート時に「脚を使わされる」ホイール」ということになってしまうのです。
「完組ホイール」のカタログ重量は全体重量しか表記されておらず、リムだけの重量が分からないために、カタログの情報だけですとホイールの性質は読み取れません。
逆に、縦剛性が高くないローハイトのリムを採用しながら、全体の重量を軽くするために細いスポークを少数張る仕様のものもあります。それについては、乗り心地は良いもののホイール全体の剛性が低いためにダウンヒルやコーナーリング時の不安感を増幅させている場合も多いです。

特に、値段を抑える必要のある中級グレード以下のモデルでは、「完組ホイール」の優位性があまり感じられないものも多く見られます。


【まとめ】

乗り手の常用速度が30km/hというのは、一般的なライダーが信号や多少の坂道のある公道などで長時間走行できる速度として設定しています。「手組ホイール」はそういった人たちの、ホイールが合わないことでの疲労や走りにくさのような無用なストレスを軽減してくれます。毎日乗っているならそのストレス軽減は尚更です。

また、現状で「完組ホイール」の優位性がハッキリと感じられるのは、前後セットでホイールの定価が最低でも6万円程度以上するグレードのモデルだと考えています。それ以下の完組ホイールなら手組ホイールの方がもっと安価で同等のパフォーマンスを得ることが出来ます。

「手組ホイール」は、不特定多数の使用を前提として作られている現在の「完組ホイール」よりも、より細かく乗り手に合わせた性能のホイールを組み上げることが出来ます。「完組ホイール」は、上級モデルの場合ならレースに出場して結果を出したい人にとっては有用です。
どちらにも特徴がありますので、用途によって使い分けるようにしたいものです。



※当店での手組ホイールの一部を「オリジナル&企画商品」のページにて紹介しています※
こちら「オリジナル&企画商品」




February 01, 2014