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 登り坂の走り方 

自転車で走る時にほとんどの方が敬遠したくなることと言えば、長い坂道を登り続ける場合だと思いますが、坂道を登り続ける状況では、走り方を知っているのといないのとでは大きな差が出ます。




今回は、そんな「登り坂での走り方と身体の使い方」です





◆登り坂の走り方◆

・早めに変速して脚が回る感覚で走る。

平坦な道路から登り坂に差し掛かると、当然ペダリングが重くなりケイデンス(クランク回転数)が低下していきます。
その時、変速せずにそのままのギアを頑張って踏み続けていませんか。登り坂でも平坦路同様にケイデンスをあまり低下させずに脚が回っている感覚を保って走った方が、脚への負担が少なく最後まで速度があまり低下しません。また、大きな負荷をかけないので止まって休憩することも無く、結果的には早く走れることになります。


・登り坂でのケイデンスは平坦路を走っている場合の85%程度

登り坂でのケイデンスは平坦路を走っている場合の85%程度を保つと効率良く走れますが、どの程度低いケイデンス(どの程度高い負荷)で走れるかは個人差があります。
それを認識する為に、脚が回っている感覚を掴むことが大切です。


・出来るだけ脚が回っている感覚を保つ

平地に限らず、坂道に於いても「出来るだけ脚が回っている感覚を保つ」ということはとても大切です。
脚に力を込めてペダルを踏みつけるのでは、脚が回っているとは言えません。満身の力を込めることなくコンスタントにペダルを回していける程度が「脚が回っている感覚」の目安です。ご自身の感覚で、出来るだけ脚が回っている感覚を保てるように早めに変速しながら走ることがポイントです。


・適切なギアを装備する

登り坂で常に脚が回っている感覚を保つのはとても大切ですが、その為めには、ご自身の力に合った前後のギアを装着しておくことが必要になります。登り坂を走ってみて、一番小さなギア比を使うことが多く、上述のような脚が回っている感覚を保てないことが多い場合は、トリプルクランクの採用等、クランクの変更も視野に入れて前後のギア構成を見直す必要があります。


(参考) 坂道は、降りて押した方が速いか?

低いギア比を採用していると「降りて押した方が速い」と言われることがあります。
3km/hの速度で登っていける(脚を回せている)ギア比で急坂を登った時と、同じ坂を、自転車を押しながら3km/hで歩いて登ったときの感覚を比べると、後者は、自転車がお荷物になってしまい大変辛く、続けることは困難です。



◆登り坂での身体の使い方◆
(下の画像はクリックで拡大します)

・基本的なフォーム

登り坂での基本的なフォームは、上半身を起こし、骨盤を立てて、背中にアーチをつくるようにします。
肩がすぼまって猫背にならないように注意しましょう。
ドロップハンドルの場合は、アップバーの部分を手のひらで軽く押さえるように持ち、ひじを軽く曲げます。

脚が回っている感覚を保って楽に登っている時は、腕で軽く上半身を固定するように力を使います。




少しペダリングが重く感じるギアのまま、ケイデンスを低下させないようにペダリングをする(少し重たく 感じるギアを頑張って回す)場合は、ハンドルを前方に押し出すように腕の力を使って上半身を強く固定します。この時、ハンドルを強く握らないように注意しましょう。







一番軽いギア比にしてもペダリングが重く感じてケイデンスが低下してきた(重たく感じるギアを踏み込んで走る)場合には、ハンドルをへそに向かって引きつけるように腕の力を使って上半身を強く固定します。このとき、手はハンドルに引っ掛けるようにして強く握らないようにします。








・ダンシング(立ち漕ぎ)を使う

登り坂は惰性のある平坦路とは違い、頑張っていなくとも筋肉への負担が大きくなっています。このため、脚が回っている状態で楽に走っていても同じ筋肉を使い続けるとストレスを感じることが多く、長い坂道を登る場合は時々ダンシング(立ち漕ぎ)をして今まで使っていた筋肉を休ませリフレッシュする「リフレッシュダンシング」をすると楽に登り続けられます。

ダンシングをする時は、ギア比を1~2段階大きくしてケイデンスを低下させるとやりやすいでしょう。
ブレーキブラケットをしっかり握り、自転車を軽く左右にふりながらペダルに体重を乗せていきますが、身体の軸は左右にぶれないようにしましょう。身体の軸が左右にぶれると蛇行してしまいます。



スムーズなダンシングを身に付ける為には、止まる前に軽いギアを選択しておいて、走り出す時に自転車を振りながらダンシングで素早く加速することを繰り返し練習するのが良いと思います。
ダンシングは負荷をかけて行うと坂を速く登ることが出来ますが、効率が悪い走り方ではあるので、筋肉や心臓に高い負荷がかかります。その為、多用すると坂を登り切る前に力を使い果たしてしまうこともありますから、自分のペースを守って坂を登る場合は、時々使っていた筋肉を休ませる「リフレッシュダンシング」をする程度にしておいた方が良いでしょう。


◆どうしても休みたい時◆

最後に、登り坂を走っている最中にどうしても休まなければならなくなった時は、できるだけ傾斜の緩いところで休むようにします。
疲れている上に急傾斜の坂に差し掛かると、その場で止まって休みたくなってしまいます。しかし、そこで止まってしまうと、そのような坂では再び走りだすのが技術的に難しくなります。
急な傾斜の坂からスタートする為には低いギア比を選択しなければいけませんが、傾斜と低いギア比が相まって、「始めの一踏み」で殆ど惰性が付きません。その為、スタートしてすぐに反対側の脚でペダルを踏み込んで走りだせる速度にする必要がありますが、特に、ビンディングペダルの場合、瞬時にペダルを捕らえてシューズを固定しペダリングを開始するのは大変に難しいことです。
急な傾斜の坂からスタートできる技術を持っている人と一緒に走っている場合は、スタート時に押してもらい、その間にシューズを固定して踏み込みながらスタートできます。しかしそうでない場合は、出来るだけ傾斜の緩いところで休むよう心がけて下さい。
また、何度も降りて休まなくても良いように、登り坂の走り方をマスターしましょう。



以上、長い坂道を登る場合の走り方について書きました。
実際に坂道を登る場合は斜度の変化やカーブ等の道の構造、風の状況等により、どのように走っていくかはそれぞれのシーンで変わっていきますが、今回のことが基本となりますので、これらを踏まえながら、実際に様々な坂道を走りながら自分に合った坂の登り方を確立していって下さい。




August 31, 2012